昔からアダンソンハエトリグモという家の中に割と出没する黒に白模様のピョンピョンはねる小さい蜘蛛に好かれています。
※多くの日本人がそう感じているかもしれません。

実家に住んでいた幼少~学生時代から、転々と引っ越しをするほとんど全ての賃貸において、このクモはひょこっと姿を現して来ました。

そこかしこにいるクモなので、引っ越し段ボールの中に潜んでいた場合もあったかもしれませんが、その場所場所で家の隙間から侵入して来たヤツの方が多い気がします。

私は特段蜘蛛が好きというわけではなく、ジョロウグモ系はだいぶ苦手というか気色わるっと思います。でもアダンソンハエトリグモのことは愛でています。

巣を作らないし、糸は緊急移動時か獲物に対してしか出さないし、ハエ、ゴキブリ(おそらく大きいのは無理でしょうが)、蛾とか不快な飛び方をするような虫全般を食べてくれる、超いい益虫ということもあるし、ズングリムックリ系の足の短い外見やぴょんぴょん跳ねる移動や仕草が愛らしく感じます。

アダンソンハエトリグモ

なので、アダンソンハエトリグモを見かけたら「よぉ、元気にやってるかい?嫌な虫がいたら片っ端から食べてくれよな」という感じでヨロシク共存しています。

そんな感じでこのクモと(意図せず)今も暮らしているわけですが、この間、銀座に向かう電車の中で、吊り革を掴んでいた左手の手首付近からツーと糸を使ってアダンソンが急降下して来ました。

「おまっ!ついてきたのかい!」と心の中で焦りましたが、私は全身黒い服だったので、完全に黒に黒で溶け込んでいて周りの人はおそらく気づいていなかったように思います。

極小のわんぱく犬を電車の中に連れて来てしまったくらいのテンションで「あまり動かずに大人しくじっとしといてくれよ、、」と願っていると、目の前の席が空いたので、そこに座りました。しばらくすると、左側の手すりのところをゆっくり歩いているアダンソンが目に入り、「あちゃ~それは目立つぞ」とドキドキしながら目の端で見ていました。

代々木上原で乗り換える際に「ここでお別れだ。お前はお前の意思で家からここまで来たんだから、ここからどうするかはお前自身で決めなさい」と一瞬だけ寂しさに似た感情を味わうも割とスッと切り替え銀座に向かいました。

2時間ほどの用事を終え、家に帰宅して一息すると、仕事部屋の壁にアダンソンがいました。

ぴょんぴょんと移動する姿を見て「お前、まさかあの手すりから再度洋服に飛び乗って来て、2時間も銀座を堪能して、またここまで戻って来るという大冒険をしたのか、、?」と驚きましたが、少し冷静になり、電車の中のアイツは違うアダンソンだったのかな?と思い直しました。

でも本当に家からくっついてきてまた家に戻って来ていたとしたら、いやはや、とんでもない大移動もとい大冒険をしたアダンソンとして、ハエトリグモ界で後世語り継がれることでしょう。