世界のWebサイトシェア率画像

いきなりタイトルに対する回答なのですが、まったくオワコンではありません。

上図は、CMSやWebサイトのデータを取得し続け、毎年ランキングを公開されているW3Techs(Q-Successという企業のサービス)の2023年のランキングを基にしたものです。

このランキングは、「2023年時点の世界中のWebサイトの43.1%がWordPressで作られている」ということを意味しています。そして、2023年のこのWordPressシェア率は2011年の13.1%から年々増加して来た数字でもあるのです。

凄まじいシェア率ですよね~。もう少しデータ見てみましょう。

世界のCMSシェア率画像

世界のCMSシェア率では63.7%と、これまた圧倒的ですね。

日本のCMSシェア率画像

そして、日本においては、CMSシェア率は83.6%と、日本人は世界平均以上にWordPressが大好きなようです。

おそらくここに関しては、WordPressの日本語情報が圧倒的に多いことや(逆を言えば、日本製ではないWordPress以外のCMSの日本語情報が圧倒的に少ない)、そこから来る右倣え精神が大きく影響しているんじゃないかと思います。

2023年までシェア率が伸び続けていることは(正確には2022年の世界シェア率は43.2%とのことなので、2023年は0.1%減少しているか横ばいと見て取れます)、それまでのホームページ・ビルダーとかペライチサイトからネクストステージに移行するために一番有名で情報が多いWordPressを選択する往年の方々がまだまだ一定数いらっしゃるという理由があるような気もします。

いずれにしても、WordPressは依然、圧倒的に選ばれているCMSであることには変わりありません。と同時に、Webサイトを構築する上でベストな選択かと言うと、必ずしもそうではありません。

WordPressはとにかくお手頃です。サーバーとドメインさえ用意してしまえば、後は基本的には無料で使えます(有料テーマや有料プラグインは除く)。無料プラグインは豊富にありますし、昨今のノーコードツールに比べればノーコードとは言えないながらも、ほぼほぼ感覚的に構築していくことも十分可能です。

「じゃあ結局WordPressでいいじゃん?」なんて言ってしまうと、モダンフロントエンダー達が黙っていません。

vue.js、React、Next.js、Nuxt.js 等のJavaScript及びTypeScriptベースのフレームワーク愛好家達から、「WordPressなんて野暮ったいCMS使うかボケ」という声が聞こえてきそうで怖いです。

少しだけ乱暴にかいつまんで説明しますと、WordPressはPHPベースで形作られたCMSです。CMS(Contents Management System)というのは、専門的知識がなくてもWebサイトが作られるようにしたパッケージのようなものです。

一方、Next.jsやNuxt.jsは、JavaScriptベースのフレームワークです。フレームワークもパッケージであるにはあるのですが、CMSのように直感的に作業することは困難で、専門的知識が必要になります。

結局、CMSもフレームワークも、誰かが用意してくれた非常に便利なキットを使っていることには1mmも変わりはないので、両者の愛好家達が無駄に喧嘩する必要はないのです。

ちなみに私はホームページ・ビルダーから出発し、裸のHTML+CSSを経験し、WordPressにどっぷり浸かり、LaravelやNuxt.jsを一時試し、現在はNext.jsがメインな感じです。

そんなそれなりに渡り歩いている私的には、「ケースバイケースで使いたいモノを使えばいい」に尽きます。

Next.jsやNuxt.js等のフロントエンドを使う多くのプログラマーは、バックエンド(PHP、GO、Python、Ruby、C#、Java、JavaScript等)の知識を有していないことが多いので、サーバー側での処理が必要な機能を実装したい場合(例えば「お問い合わせフォーム」)、バックエンドの担当者と連携するか、外部の機能(API)を利用する必要があります。

しかし、WordPressをそれなりにいじったことのある経験者であれば、フロントエンドのHTML、CSS、JavaScriptに加え、バックエンドのPHPの仕組みも理解できていることが多いです。

PHPの仕組みがある程度理解できていれば、PHPベースのフレームワークであるLaraveにもすぐに慣れることができます。Laravelを使えば、WordPressなしで一通り実装したい機能を丸々盛り込めますし、フロントエンドをNext.js、バックエンドをLaravelで構築することも可能になります。

という感じで、長所も短所もそれぞれにあると思います。

さて、この上で、世の中のWordPressサイトのパフォーマンス(読み込み速度等)はどうか?と言うと、よくない場合が多い、という印象です。

過去に自分が経験して来たからこそわかりますが、WordPressでサイトを構築する際には、以下のポイントが重要になります。

①プラグインは必要最低限に留める
例えば私が管理している「ふらゆら」にはプラグインを一つも入れておりません。プラグインは数が多くなればなるほど、基本的にページの読み込み速度が悪化し、脆弱性リスクも高まります。「便利さ+手軽さ」と「速度低下+脆弱性リスク増加」とのトレードオフと思っていた方がよいです。

②SEO対策の抜け漏れを厳重にチェック
「SEO対策」という言葉は今や「SDGs」と同じくらい、「よくわからんが謳っておけばいい」「前面に出して掲げておけばいい」というような類のやや浅いニュアンスが漂ったキーワードになってしまったように感じます。実際のSEO対策というのは、実に細かく、実に面倒で、実に地味で、すぐに効果が出るようなものではないことがほとんどです。それ故、はじめにきっちり正しく設定しておかないと、半年経っても1年経ってもうんともすんとも効果が出ないなんてことも珍しくありません。

③キャッシュ&ページ部分更新の多用
キャッシュがすべて無効になっているサイトは少ないと思います。というか、レンタルサーバーではデフォルトで有効になっていたりします。では、キャッシュには何種類あるでしょうか?もちろん一つではありません。ブラウザ、サーバー、CDN等、複数のキャッシュを効果的に活用する(同時にキャッシュしてはいけない箇所はしっかり例外扱いにする)ことで、非常に大きな影響を及ぼします。さらに、fetchやAjaxを活用してページの部分更新を有効化することで、サイトパフォーマンスが劇的に向上します。

という感じで、なんだか長々と書いてしまいましたが、この辺りの内容は初めはなかなかとっつきにくいです。なので、WordPressのポテンシャルをもっと上げたいと思われている方や、Next.jsで爆速なサイトを作ってみたいと思われている方も、どうぞお気軽にご相談ください!良心的な費用できっちりサポートさせていただきます!